リトルバスターズ!SS 「面接」
こんな物でもないよりましよ
面接
「では、結果は後日連絡します」
「失礼します」と言って、一人目のバイト希望者は帰っていく。
「はぁ、面接は疲れるナァ。次の人は……」
目の前の机に置いてある履歴書に目をやる。
写真を見ると、大きな真紅のリボンと星の飾りを髪に付けたかわいい少女がにっこりと笑っていた。
ん? なんでこの子履歴書の写真で笑ってるの?
少し不思議な気もするが、とりあえず内容に目を写す。
そこには、とてもくるくると丸まった文字でこの少女の情報が記されていた。
名前 神北 小毬
趣味 お菓子
んん? 趣味、お菓子?
長所 ステキなところ
短所 ステキなところ
志望動機 ここに幸せがありそうだから
んんん? これはいったい?
まぁ、あまり深く考えないことにしよう。もう、面接の時間だ。
「神北小毬さん、どうぞ~」
私が大きな声を出すと、扉の向こうから「はい!」という大きな声が聞こえてきた。
ガッ! ガッ! ガッ!
扉がゆれる。
「ふあぁぁぁ、ドアがあかないよぉ」
鍵をかけていないはずのドアは一向に開かない。もしかして……
「そのドアは引戸なので、引いてください」
「ふぇ?」
一瞬ドアの向こう側が静かになったと思うと、先ほどとは頑なに閉じていた扉がいとも簡単に開いた。
「わあぁ」
少女は開いた扉に対して、きょとん、としている。
もしかして、素直に驚いているんじゃなかろうか?
「……、あ! そうだ、失礼します!」
少女は、やっと自分の過ちに気がついたのか、ガバッ、と頭を下げて部屋に入ってきた。
少女は、私の机の前においてある椅子の前に立った。
「はい、では名前を教えてもらえますか?」
「私の小毬は名前です。お菓子は甘い趣味です」
逆だ! 逆!
てか、趣味は聞いてない!
「は、はぁ……。では、どうぞ、そこに座ってください」
私が着席を促すと「しつれいしまぁす」といって少女は座った。
「あ~、本格的な質問に入る前に、一つ聞きたいんだけれど、この履歴書の長所と短所ってどういう意味なんでしょうか?」
私は疑問に思っていることを素直に聞いてみた。
「ああ、うん、あれは、そうですね」
少女は、ぴしっ、と指を立てた。
「ステキなのって、いいかんじのようでいて、ふむぅってかんじでもあるのですよぅ」
……。
ああ、そうか。
これはきつい戦いになりそうだ。
「じゃあ、しつれいしま~す」
小鞠というなのナイスな少女は、にこやかに部屋から退室した。
ああ、疲れた。
特に「座右の銘は?」と聞いた時に「両方とも2.0です」と返された時に(それは左右の目だ~)というツッコミをしてしまうところだった。
さてと。
次の人の名前は棗 鈴。
疲れたけれど、ちゃんと仕事は全うせねば。
「棗鈴さん、どうぞ~」
「失礼します」
入ってきたのは、猫のようなつぶらな瞳を持つ少女だ。
その後にぞろぞろと入ってくる沢山の猫。
猫。
猫。
猫。
「ええええええええええ? なんで猫がこんなにぃぃぃぃぃぃぃぃ。ははははははははははぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!!」
私は、壊れた。
